第三十二話 「会話の妨げ」 2005.09.05 浪速の龍

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 各企業は、秘密漏洩問題で私物の会社持ち込み禁止やセキュリティ強化に熱心に取り組んでいる。
最近は、企業合併も頻繁に行われ、企業文化の異なる会社同士が合併している。そこには、色々な問題
が発生している。企業の海外進出も頻繁に行われている。その中で日本企業は、会話に必要な語学が弱
いと聞いている。当然、言葉の弊害は大きな問題となっているはずである。

 この様な合併現象の中で大きな問題になっているのが、コミュニケーション不足である。意思の伝達
が上手く行かない。思うような事が出来ない。と、不平不満が多くなっている。
 私は、商社マンである。世界でも日本ほど商社機能が発達している国はないと言われている。商社
は、メーカの商品をメーカに変わって販売していていく代理店機能を持つものであるが、商社の財産
は、人間である。人間である以上、好き嫌いは当然有る物で、自分の好きな商品を中心に販売していく
のも道理である。そこには、メーカと太く親密なパイプが存在する。

 最近、日本国内で騒がれている「個人保護法」問題。企業の機密保持義務問題等が急浮上してきてい
る。この事はインターネット等の急激な進歩によってもたらされた問題である。会社に個人のPCを持
ち込まない。会社のPCは持ち出さない。会社からのmail out に問題はないかのチェック。この様な
従来にはなかった問題が発生している。

 社会が発達しても、科学が進歩しても人間の文化、思考は変わらないもので、商売は、人と人の関係
であり、コミュニケーションがもっとも重要になる。その様な対話をセキュリティが遮断する。何故売
れない。何故理解できない。知らなかった。判断材料がなかった。等々言い訳がましい事ばかり・・?
その原因は、誰でもない経営陣が作り出したものである。

 最近大手企業へ行くと受付があって、そこでアポ先の確認をされる。数分後に当人が出てくるが、当
人のいるフロアーへは案内されないのが普通である。外部の人間お断り。となっている。そして、受付
の横にあるミーティングルームなる所へ案内されて「打合せとなる」。アポ者以外誰とも会うことなく
退社となる。実際に人間関係を構築する上で必要な事は、無駄話だと思う。その無駄話が、最近は出来
なくなってきており、人間関係を構築する材料が無くなってきたように思う。また、一部の会社では、
業者との会食等々も禁止している大手もある。プライベートで付き合ってもいけないそうである。
 仕事だけでは、お互いが理解できないと思う。どこで信頼関係を構築するのだろうか・・?仕事を上
手く処理する事は当たり前の事である。しかし、そこに相手との呼吸の問題が生じるはずである。

 日本は農耕民族である。農耕民族は、隣近所と仲良くしていかなければ生きて行けない民族であり、
お互い気配りをして和を尊ぶ民族ではないのかと思う。何でもかんでも合理的に処理すればよいと言う
ものでもないと思う。企業がセキュリティを強化し、国家は情報の垂れ流し・・?何かアンバランスだ
と考えるのは、私だけでしょうか・・?

                                                 以上


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