第四十七話 「教育」 2007.3.13 浪速の龍

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 最近の話であるが、商売で日本電産と付き合う事になった。営業マンが挨拶代わりに「当社の社
長が書いた本です」(その社長は、日本電産の永守重信さんです)と言ってプレゼントしてくれた。
自署伝は好きな方なので、有り難く頂きました。
内容は、読んで頂ければ理解出来ますが、面白く読みました。途中で涙がボロボロ出てきて、しばし
本を置く場面が何度も出て来たのには参りましたが、自分なりに理解できたように思う。日本電産(N
idec)と言えば、高性能モータで有名な会社である。今後の用途を考えればさらに伸張していくの
ではないかと思う。先ほどの本の詳細であるが"どんな社員も「一流」にしてしまう。「奇跡の人材育
成法」・・・定価380円PHP文庫"と言う本です。

会社設立当初、製造したモータが全然売れない。仕方ないから海外へ行って売り込みをかけた。結果
的に米国で売れる事になったが、注文が取れるまでには大変な苦労があった。注文が取れそうになる
と、工場を調査見学させて欲しいとの依頼がある。その工場を見せてしまうと、注文がキャンセルにな
ってしまう。当時は、京都にある掘っ立て小屋の様な所でモータを製造していた。そこへ案内すれば大
半の顧客がキャンセルしてくる。まあ、この様な過程を通じて海外から注文をもらい始める事になるわ
けであるが、今度は、忙しくなると製造の社員がいない。採用に走っても集まらない。そこでユニーク
な採用試験が始まる。既存の大企業の様な採用では、人材が集まらない。成績優秀な人材は、大企
業へねこそぎ持って行かれる。そこで考えた方法がユニークである。大声試験、早食い試験、便所掃
除試験etcを実施したそうである。業界でも有名になったそうであるが、今は、過去の話である。
 また、採用になったあとの話であるが、タイトルに有る様にメチャメチャ怒る。怒鳴りつける。感情
丸出しで怒る。中途半端な怒り方はしないそうである。やる時は徹底してやる。これが電産流の人材育
成らしい。その結果、下記のようなことも分かって来た。

【教育しても駄目な人間のチェック法】
1. 言い訳ばかりして、叱っている本当の意味を理解しようとしない人間。
2. 叱られても反発心をもたず平気でいられる人間。
3. 他人が叱られていることに無関心な人間。
4. 他人を叱る事の出来ない人間。
5. プライベートな部分で一切口をとざす人間。

  怒るという事は、褒める事より難しいばかりではなく、数百倍以上のエネルギーが必要になる。特
に怒った後のフォローが出来ないと人間関係が駄目になる。また、当事者の私生活面にもある程度通
じていないと、怒る事は危険な所作になる。五分五分の賭ならやらない方が良い。
 怒る事は、真剣勝負である。周りの人は、知ったかぶりで「怒る事」と「叱る事」は違うと言う。し
かし、頭に血が上った時に叱る余裕なんてありますか・・?怒鳴りつけるでしょう。また、人間は、感
情があるから、相手の怒り方を見ているわけで、どの程度の失敗で怒られているのか、怒られ方で判断
している面も多々ある。私も随分と怒った方である。怒る事は日常茶飯事であった。怒る時のコツと言
うか、ポリシーと言うものがある。失敗してもその人の人間的欠陥を指摘しては、絶対駄目である。表
面に現れた事物で怒る事を鉄則としていた。また、小さな失敗の時に何度も怒るわけである。小さな失
敗を見逃していると、大ちょんぼをやらかす。この時は、どうにもならない。修復も利かない。こんな
時に怒っても駄目である。この様な大きなミスをなくす為に小さなミスの時に叱りまくるわけである。
 社会に入っても教育、当然学生時代の全ては、教育である。人間社会の一番重要な事だと思う。
人材育成を怠った企業は、遠からず衰退して行くだろう。

                                            以上



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